野菜の栽培方法 自家栽培で安心安全おいしい野菜

栽培管理の主な作業

野菜の収穫までにはさまざまな作業を行います。ひとつひとつの作業が野菜をおいしく育てますので、ポイントをよく覚えておきましょう。

■除草

日本は雨が多く、春から秋まで比較的温度も高いので、雑草の生育も実に旺盛です。しかし、雑草は土壌の養水分を奪ったり、苗を覆って野菜の生育に悪影響を及ぼします。
特に苗の生育初期の幼植物では、苗が溶けて消えてしまうこともあります。逆に生育後半になれば、野菜が繁茂して雑草を抑えてくれます。
除草の方法は、雑草を手でむしったり、除草カマで刈り取る、レーキやホーなどを使って刈り取るとよいでしょう。
除草剤を使う方法もありますが、家庭菜園の場合は畑の面積も比較的狭いので、なるべくなら無農薬栽培を目指して安全な野菜をつくりましょう。

 

■土寄せ

土寄せは、畝間の土を株元へ寄せて土を盛る作業です。土寄せには、株の倒伏を防ぐ、根菜類の地下部が露出して着色するのを防ぐ、雑草の発生を抑える、軟白する(長ネギなど)、低くなった畝を高くすることで排水がよくなるなどの効果があります。

 

■追肥(ついひ)

野菜は、生育初期段階では養分の吸収量が少なく、中期および後期以降に養分を多く吸収する傾向があります。
そのため、元肥(もとごえ)としてすべての肥料を畑に施してしまうと、雨などによって養分が流れてしまい、養分損失が多くなってしまいます。
そこで、野菜の生育状態を見ながら肥料を追加して施す作業が追肥です。

 

追肥で施す肥料は主に化成肥料で、養分としては窒素です。追肥の場所や分量は野菜によって違いますが、追肥専用の化成肥料を株元や畝間に1㎡当たり30~50g程度施すのが一般的です。また、水で500~1,000倍に薄めた液体肥料を、葉面に散布する方法などもあります。
追肥専用の肥料はいずれも即効性なので、散布した後約2~3日で葉色が濃くなるなどの効果が表れます。

 

■中耕(ちゅうこう)

しばらく畑を放っておくと、雨などの影響で土の表面が硬くなってしまいます。こうなると通気性や排水性が悪くなったり、知らないうちに雑草が繁殖してしまい、野菜の生育の妨げとなります。
そこで、畝間や株間の表層の土を軽く耕して雑草を除去し、土の表面を軟らかくする作業が中耕です。中耕は畑の様子を見ながら月に1~2回、追肥と土寄せをかねて行うのが普通です。

 

■摘心(てきしん)・わき芽かき

茎の先端(生長填を摘み取ることを摘心といいます。そして、葉と茎のつけ根から出るわき芽を摘み取ることをわき芽かき(摘芽)といい、主に果菜類でよく行われる作業です。
例えば、トマトはすべてのまき芽を摘み取って、中心の茎を1本だけ伸ばして育てる1本仕立てで栽培されます。果房(かぼう)が5~6段になったら摘心する方法が一般的です。
摘心は着花を早める、わき芽かきは日当たりや風通しをよくしたり成育を調整することで、果実の肥大を促すなどの効果があります。

 

■支柱立て

支柱立ては株が倒れるのを防ぐために行います。ほかにも、まっすぐに生育させ収穫が簡単になる、病害虫が発生しづらく防除もしやすい、収穫量が多くなるなどの効果があります。
また、植えつけ直後の苗は長さ30~50cmの短い支柱、仮支柱を苗の脇にさしてひもで誘引し、株が倒れるのを防ぎます。

 

支柱を立てて栽培する主な野菜は、トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、オクラなどの実をつけると重みで倒れてしまうような果菜類や、キュウリ、ニガウリなどのウリ類、エンドウやインゲン、ソラマメなどのマメ類、メロンなどのつる性の野菜です。

 

支柱の立て方は、市中を交差させて交点に横竹を入れて強度を高める合掌式と、畝に支柱を垂直に立てる直立式があります。
合掌式はトマトやキュウリなど、草丈が高く伸び、果実の重い野菜によく利用されます。直立式は、ナス、ピーマン、シシトウなど、草丈がそれほど高くならない野菜などによく利用されています。ほかにも支柱の間にネットやひもを張るネット栽培という方法もあります。つる性の野菜などは、伸びてきたつるをネットにからませればよいので、よく利用されています。

 

また、支柱には先端がとがっているほうと丸くなっているほうがあります。支柱を立てる際は、必ずとがっているほうの先端を土にさすようにしましょう。
野菜の種類にもよりますが、合掌式の場合は、斜めに立てた支柱の片側ないし両側に支柱を斜めに渡して、支柱が交差する箇所をひもでしっかり結ぶことで強度が高まり、倒れにくい頑丈な支柱が組めます。

 

■誘引(ゆういん)

立てた支柱に茎やつるを、ひもなどで結びつけることを誘引といいます。
誘引は茎やつるが成長して太くなることを考慮し、ひもを8の字に2~3回ひねって茎と支柱の間にゆとりを持たせて結ぶことが大切です。
支柱にきつく結んでしまうと、茎やつるの成育の障害になるばかりか、茎が傷んでしまったり、風によって折れてしまうことがあるので注意しましょう。

 

 

旬の野菜作り一覧表

春~夏

きゅうり

京菜

チンゲン菜

インゲン

枝豆

ナス

トマト

ゴーヤ

ピーマン

生姜

落花生

かぼちゃ

スイカ

オクラ

シシトウ

トウモロコシ

メロン

サツマイモ

里芋

ネギ

ニラ

モロヘイヤ

ミツバ

ミョウガ

シソ

夏~秋

キャベツ

レタス

ニンジン

ブロッコリー

カリフラワー

春菊

カラシナ

秋~冬

にんにく

玉ねぎ

大根

カブ

ほうれん草

小松菜

白菜

サヤエンドウ

ソラマメ

冬~春

イチゴ

ジャガイモ

アスパラガス

畑づくりや野菜作りのヒント

  ■畑の土作り
  ■種まきの基本
  ■植え付けと水やり
  ■マルチのかけ方
  ■寒冷紗(かんれいしゃ)のかけ方
  ■栽培管理の主な作業
  ■病害虫の対策

 

 

 

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