野菜の栽培方法 自家栽培で安心安全おいしい野菜

種まきの基本

野菜づくりでは種を畑に直接まきつける「じかまき栽培」と、種をポットなどにまいて、ある程度育った苗を畑に植えつける「移植栽培」とがあります。

じかまきのしかた

畑に直接種をまくじかまき方法には、すじまき、点まき、ばらまきという3種類があります。
これらは野菜の種類や、種をまく場所によって使い分けます。

 

また、じかまきをする前にはまき床(畝)をつくることも大切です。畝の表面がでこぼこだと低いところに水がたまって、過湿になってしまうので、なるべく畝の表面をレーキなどで平らにならします。畑が狭い場合は広いベッド状の畝を立てて栽培するほうが効率が良いでしょう。

 

■すじまき

すじまきとは溝に1列に種をまく方法で、まき溝が1列だと1条まき、2列だと2条まきといいます。この方法は種まきや間引きに時間がかからず、除草、追肥、土寄せなどの栽培管理が比較的行いやすく、ほうれん草、カブ、人参、ゴボウなどの野菜の向いています。

 

畝にまっすぐな溝をつけ、種を1cm間隔程度にまいていきます。種と種との感覚が狭いとジャングルのように密集してしまい、間引きが大変になります。種をまいた後は、土をかぶせて手で軽く押さえます。

 

覆土は、種の直径んじょ3倍の厚さの土をかけるのが基本ですが、野菜の種類や土の性質によってかえる必要があります。また、ナス科、ウリ科、アブラナ科などの種は3倍量を基本に覆土しますが、人参、セロリ、レタスなどは発芽の際に光を必要とするので種が見え隠れする程度に薄く土をかぶせます。

 

■点まき

点まきは畝の上に一定間隔(株間)で数粒ずつの種をまく方法で、種の節約と間引きが容易というメリットがあります。大根、白菜、トウモロコシなどの大型の野菜に向いています。

 

まき場所にひもを張り、空き缶やビール瓶の底などで深さ1~2cmのまき穴を一定の間隔(大根の場合は30cm)でつけます。
1ヶ所に種を数粒まき、1cm程度の土をかぶせて、手で軽くおさえます(種の数と株間、覆土の量は野菜によって異なります)。

 

■ばらまき

畝の表面全体に種をバラバラとまんべんなくまく方法で、面積当たりの収穫量が増えますが、逆に管理が大変なので生育期間の短い野菜(ラディッシュやほうれん草など)で行います。

 

畝の表面に種を均等にバラバラとまきます。次に種が隠れる程度に土をかぶせます。ばらまきは最も簡単なまき方ですが、種がたくさん必要で、まきムラもできやすく、間引きが遅れると徒長するので注意が必要です。

 

ポットまきのしかた

最近はガーデニングブームのおかげで、園芸店などでもナスやトマトやキュウリなど、おなじみの野菜だけでなくいろいろな種類の苗も販売されるようになりました。家庭菜園では、苗を購入したほうが簡単で失敗しにくいので得策です。種まきから自分の手で育てたい人や、苗が市販されていないような珍しい野菜やどうしてもつくってみたい品種があるという人は、多少難しいかもしれませんが、ポットなどに種をまいて苗を育ててみるとよいでしょう。

 

種まきから収穫までの期間が短いホウレンソウやコマツナ、ダイコンやニンジンなどの地中に深く根を伸ばす直根類は又根になってしまうためポットまきはできません。そのほかの野菜はだいたいポットまきが可能です。

 

ポットまきに使う土は市販のものでかまいません。土づくりから自分でやると土や肥料の配合が大変ですので割に合いません。

 

ポットの底に約3cm四方に切った網を敷き、用土を入れ、平らにならします。土の量はポットの縁から1~2cmぐらいまで下にして、ウォータースペースをとります。
土に指でくぼみをつけ、そこに種をまきます。土をかぶせて手で軽くおさえます。種をまいた後はたっぷりと水をやり、以降は野菜の種類に合わせて管理します。

 

■種まき後の管理

じかまきでもポットまきでも、いくら種をまいても芽が出てこなければ意味がありません。そのため、種を確実に発芽させるためにも、なるべく発芽条件を保ってやることが大切です。
種の発芽には水分、温度、酸素が必要です。しかも、育てる野菜の種類によって環境条件が異なるので、野菜の特性をよく理解しましょう。

 

■水やりをしっかりと

種をまいた後は、じょうろでやさしくたっぷりと水やりをします。土が乾くと発芽が遅れたり発芽率が低下します。

 

■適温をキープする

野菜の種類によって発芽の適温は異なりますが、レタスやセロリは18~20℃と冷涼な気温を、トマトは25~28℃とやや高温を好みます。特性に合わせた発芽適温を保ちましょう。

 

■間引き

まいた種がすべて発芽するわけではありません。さまざまな原因で発芽しなかったり、発芽しても途中で枯死したり、虫害を受けたりするため、あらかじめ必要な株数の数倍の種をまきます。
そうすると必要以上の芽が出てくるわけですから、幼苗時に順次不要な株を引き抜き、健全な株を残して充実させます。
この作業を間引きといい、株間を調整したり、不良株を淘汰することができます。

 

旬の野菜作り一覧表

春~夏

きゅうり

京菜

チンゲン菜

インゲン

枝豆

ナス

トマト

ゴーヤ

ピーマン

生姜

落花生

かぼちゃ

スイカ

オクラ

シシトウ

トウモロコシ

メロン

サツマイモ

里芋

ネギ

ニラ

モロヘイヤ

ミツバ

ミョウガ

シソ

夏~秋

キャベツ

レタス

ニンジン

ブロッコリー

カリフラワー

春菊

カラシナ

秋~冬

にんにく

玉ねぎ

大根

カブ

ほうれん草

小松菜

白菜

サヤエンドウ

ソラマメ

冬~春

イチゴ

ジャガイモ

アスパラガス

畑づくりや野菜作りのヒント

  ■畑の土作り
  ■種まきの基本
  ■植え付けと水やり
  ■マルチのかけ方
  ■寒冷紗(かんれいしゃ)のかけ方
  ■栽培管理の主な作業
  ■病害虫の対策

 

 

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